もちろん荷主様、部門間、工程間でKPIを設定している現場がほとんどですが、ある程度の安定度を達成すると、活用度も下がってきます。本来はKPIの有効性を維持する為に、項目ごとに適正な基準値へ見直したり、項目の入替を継続的に実施する必要があるのですが、ルール化されていない見直しサイクルや、関係者との合意形成の難しさ、利害関係などから、見直しが行われず、活用の必要性が下がり、改善活動が衰退していきます。
競争の激しい物流業界にあって、自ら現状を否定し、更に上のレベルを目指して改善し、”お客様の期待を上回る”という事ができれば、その物流企業の将来は明るいものになると言えます。そうなる為にも物流企業が自ら、
- 複雑ではなく
- わかりやすく
- 継続的改善の必要性を生み出す
- 生産性に特化するので”複雑さ”が軽減される
- VRI手法により”わかりやすさ”と”継続改善の必要性”を作り出せる
理由1)
Q,C,Dの改善を実現する場所はすべてオペレーションプロセスです。ですから、いずれのKPI結果を改善しようとする場合でも、最終的には該当プロセスに行き着きます。改善に当たっては、すべての要素を考慮して改善するわけですから、生産性というコストの切り口から始めても、結局はQ、C、Dすべてに対して改善をすることになります。
理由2)
生産性データはサンプル数も多く信頼でき、状況認識に対して合意が得やすい。合意が無いところに改善活動はありません。
理由3)
業務のQ(品質)、D(納期)の安定性の低さを包み隠すため為にC(コスト)でカバーし、問題の顕在化に取り組まないオペレーションが多く存在します。この様なオペレーションでは、不要な人員投入、前倒し、後工程無視の押し込みなどにより、過剰なスペース、長いリードタイム、作業のムリ、ムラが常態化しています。生産性はC(コスト)を代表する指標ですが、この生産性のバラツキ、傾向に注目することで、背景にあるオペレーション改善機会を特定するきっかけにつなげることができます。
シンプルに生産性データを活用し、更なる改善体質に変貌を遂げることは可能です。
VRI手法については目次から”1.VRIの基本”記事をご参照ください。
(もっと知りたい方はhttp://www.bf-research-vri.com/からお気軽にご連絡ください)